The previous night of the world revolution

リボンがついた白いブラウスに、花柄で、ピンクの膝上丈のスカート。

首もとにも、ピンクの石を散りばめた花を模したネックレス。

薄いピンクの、踵の低いミュール。

全体的にピンクでフェミニンにまとめた、渾身のコーディネートである。

我ながら…なかなか良いと思うぞ。

「…」

見てみろ。シュノさんも、まんざらでもなさそうな表情。

彼女の持ち物を見るに、割とガーリーなデザインが好みと見たが、どうやら間違ってはなかったようだ。

これで服は文句なしに良くなった。が…。しかし、まだ残念なところがある。首から上だ。

この残酷な髪型をどうにかしたい。

「…シュノさん、ちょっと…。服のついでに、良いですか?」

「何…?」

「そこの椅子に座ってもらえませんか」

「…?」

執務室のデスクチェアに、シュノさんを座らせる。

床に新聞紙を引いて、カットケープ代わりのレインポンチョを、彼女に頭から株ってもらった。

その時点で自分が何をされるのか気づいたらしく、シュノさんは抗議の言葉を挙げた。

「ちょっと!何で?何でこんなことするの?」

「何でと言われましても…。点数稼ぎですが」

あくまで、そういうことにしておく。

本音を言えば親切心…と言うよりは、ここまで来たらもう、乗り掛かった船、という奴だ。

やるなら最後までやる。毒だって一口食ったら皿まで食えって言うだろう?

「別にハサミで切りつけてやろうなんて思っちゃいませんから。そんなことしてマフィアで生きられるなんて思いませんし」

「…」

裏切らない限りは裏切られないとアシュトーリアさんと約束したけれど。

それはつまり、裏切るなら容赦はしないぞってことであって。

アシュトーリアの可愛い娘であるシュノさんを傷つけたとあれば、俺の命はないだろう。

そんなことは分かっているのだ。

少し前までの自殺願望は遠い彼方に消えた今、自分からギロチン台に上るつもりはない。

「…あなた、髪なんて切れるの」

「初めてですけど」

「もっと酷いことになったらどうするの?」

今の状態が酷いということについては彼女も分かっているらしい。

「今よりはましにしますよ。一応、本で勉強はしましたから」

「…」

「やめときますか?」

どうしても俺に髪を触られるのが嫌なら、やめておくが。

「…もし今より変にしたら、アシュトーリアさんに言いつけるから」

「…最恐の脅し文句ですね…」

さすがはマフィア。脅し方がプロフェッショナルである。

苦笑しながら、俺はハサミを手に取った。