The previous night of the world revolution

シュノ・ルヴァーシュは、うら若い乙女であった。

俺と同じくらいの年齢の。

そして彼女の…髪の毛は。

通勤途中にかまいたちにでも遭ったとしか思えないくらい、バサバサであった。

前髪も後ろ髪も毛先の長さが不揃いで、ピンピンあちこちに跳ねてしまっているし。

左右で毛束の量が違うような。

何処からどう見ても、ド素人が切りました、という髪だ。

それとも、これが巷では流行っている髪型なのだろうか。

こんなのが流行り出したなら、ルティス帝国の未来は暗い。

「し、し、仕方ないじゃないっ!いつも切ってくれる部下が、今手を怪我してて…。他に切ってくれる人がいなかったの!」

「はぁ、そうなんですか…」

「何よその顔は!?馬鹿にしてるでしょ!」

「してないですけど…」

とりあえず、その髪型がおかしいということは理解しているようで、良かった。

ルティス帝国の未来はまだ希望が見えそうだ。

「髪のことは関係ないでしょ!放っといて!」

「はぁ、分かりました」

まぁ、俺も女性の髪型をあげつらう趣味はないから。

気に…してない振りをしよう。

美容院行けば良いのになとか、せめて縛ればましに見えるのになとか、言いたいことは色々あったが。

相手は上司で、しかも女性なので、外見についてとやかく言うのは無粋というものだろう。

そう思って、俺は努めて彼女の首から上を見ないようにしながら、彼女のもとで指導してもらった。