一応、形だけの信頼関係は取り付けたが。
「私が知りたいのは、あなたが帝国騎士団に戻る気が少しでもあるのか、という点だわ」
アシュトーリアさんが気になるのは、そこであるらしい。
まぁ、そこは気にする点だな。
「もし帝国騎士団側が謝罪して、全部取り消すから戻ってきて欲しいと…もし万が一そう言ったら、あなたはどうするのかしら。うちに入るのは、他に行くところがないから?帝国騎士団にいられないから仕方なく、なの?そこをはっきりさせておきたいわ」
帝国騎士団が謝罪して、俺に戻ってきて欲しいと言うなんて、有り得ないと思うが。
もし有り得ると仮定するなら、そのときは。
「例え土下座されても、戻る気はありませんが」
どの面下げて、謝罪なんてするのか。
謝られた程度で戻ったなら、俺が苦しみ抜いた二年間は全くの無意味になってしまう。
「はっきりさせておきます。今の私は、帝国騎士団への憎しみだけで生きています。彼らに復讐出来るなら何でも良い。そして私が『青薔薇連合会』に入ることは、彼らにとって最大の復讐になる」
「つまり、あなたは私達を帝国騎士団への復讐に利用しようというのね」
そういう言い方をしてしまえば、その通りでもあるのだが。
「そう警戒しないでください。あなたが私を裏切らない限りは、私はあなたの忠実な臣下であることを誓いますから。あなたもまた、存分に私を利用してくださって構いません」
「成程…」
「それなりに利用価値はある人間だと自負していますが。どうでしょう?」
元帝国騎士団の隊長として、それだけの実力はある。
二年間サボってたから、だいぶ腕は落ちてると思うけど。
ついでに、俺の頭の中には、彼女達にとっては貴重な財宝のごとき情報が詰まっている。
「…ただ、私はそういうのは好きじゃないわね」
それなのに、アシュトーリアさんは不愉快そうであった。
何かが気に入らないらしい。
「…と、言いますと?」
「私達はね、家族なのよ。一つのファミリーなの。利用して利用されて…なんて、ビジネスライクな関係は好きじゃないわ」
「…それは失礼」
ビジネスライクな方が話しやすいかと思ったのだが、案外情に訴えた方が絆されるタイプか。
「…まぁ、良いわ。それは追々」
アシュトーリアさんはそっと立ち上がって、俺に歩み寄った。
何をするのかと思ったら、彼女は何の躊躇いもなく、俺を両腕に抱き締めた。
これには、さすがの俺も虚を突かれた。
人にそういうことをされた記憶がないのである。
「『青薔薇連合会』にようこそ、ルレイア。歓迎するわ」
「…ありがとうございます」
包み込むような笑顔を向けられながら、俺はどぎまぎしつつも頷いた。
味方には何処までも優しく、しかし敵には何処までも冷徹。
それが彼女の信条であると、俺は後々、理解することになる。
「私が知りたいのは、あなたが帝国騎士団に戻る気が少しでもあるのか、という点だわ」
アシュトーリアさんが気になるのは、そこであるらしい。
まぁ、そこは気にする点だな。
「もし帝国騎士団側が謝罪して、全部取り消すから戻ってきて欲しいと…もし万が一そう言ったら、あなたはどうするのかしら。うちに入るのは、他に行くところがないから?帝国騎士団にいられないから仕方なく、なの?そこをはっきりさせておきたいわ」
帝国騎士団が謝罪して、俺に戻ってきて欲しいと言うなんて、有り得ないと思うが。
もし有り得ると仮定するなら、そのときは。
「例え土下座されても、戻る気はありませんが」
どの面下げて、謝罪なんてするのか。
謝られた程度で戻ったなら、俺が苦しみ抜いた二年間は全くの無意味になってしまう。
「はっきりさせておきます。今の私は、帝国騎士団への憎しみだけで生きています。彼らに復讐出来るなら何でも良い。そして私が『青薔薇連合会』に入ることは、彼らにとって最大の復讐になる」
「つまり、あなたは私達を帝国騎士団への復讐に利用しようというのね」
そういう言い方をしてしまえば、その通りでもあるのだが。
「そう警戒しないでください。あなたが私を裏切らない限りは、私はあなたの忠実な臣下であることを誓いますから。あなたもまた、存分に私を利用してくださって構いません」
「成程…」
「それなりに利用価値はある人間だと自負していますが。どうでしょう?」
元帝国騎士団の隊長として、それだけの実力はある。
二年間サボってたから、だいぶ腕は落ちてると思うけど。
ついでに、俺の頭の中には、彼女達にとっては貴重な財宝のごとき情報が詰まっている。
「…ただ、私はそういうのは好きじゃないわね」
それなのに、アシュトーリアさんは不愉快そうであった。
何かが気に入らないらしい。
「…と、言いますと?」
「私達はね、家族なのよ。一つのファミリーなの。利用して利用されて…なんて、ビジネスライクな関係は好きじゃないわ」
「…それは失礼」
ビジネスライクな方が話しやすいかと思ったのだが、案外情に訴えた方が絆されるタイプか。
「…まぁ、良いわ。それは追々」
アシュトーリアさんはそっと立ち上がって、俺に歩み寄った。
何をするのかと思ったら、彼女は何の躊躇いもなく、俺を両腕に抱き締めた。
これには、さすがの俺も虚を突かれた。
人にそういうことをされた記憶がないのである。
「『青薔薇連合会』にようこそ、ルレイア。歓迎するわ」
「…ありがとうございます」
包み込むような笑顔を向けられながら、俺はどぎまぎしつつも頷いた。
味方には何処までも優しく、しかし敵には何処までも冷徹。
それが彼女の信条であると、俺は後々、理解することになる。


