The previous night of the world revolution

その三年間、俺は幾度となく…寮長や寮母や、科目担当の教官やカウンセラーや。

果ては学校長まで捕まえて、いじめのことを相談した。

相談…しようとした。

でも誰も、相手をしてくれなかった。

話すら聞いてもらえなかった。

あ挙げ句、俺の顔を見るなりしつこい、と吐き捨てるようになった。

姉には、もう相談しなかった。俺が姉にいじめのことを話したのは、一年生のときの一回だけだ。

姉に言わなかったのは、また姉に拒絶されたとしたら、耐えられるとは思えなかったからである。

姉の前では、へらへらして過ごした。

姉はころっと騙されてくれた。

姉としても、弱い俺を見たくなかったのだろう。だから、へらへらと元気そうに振る舞っている俺を信じて、時折見せる絶望に染まった目は、見ない振りをしたのだ。

一度だけ母にそれとなく話してみたこともあったが、こちらも冷たい反応だった。

俺は自分が、本当の意味で誰にも愛されていないのだと知った。

愛しているのは、ウィスタリアの次男としての俺。

将来帝国騎士団に入る俺。

決して、ただのルシファーとしての俺ではないのだ。

だから騎士団に入らないなら、誰一人俺を必要とはしない。

それがよく分かった。俺はそこを勘違いしていたのだ。

ただ生きているだけで愛してくれる人間なんて、俺には存在しなかったのだ。

…笑える話じゃないか。

とはいえ当事者の俺は全く笑えなかった。

今でこそ、ただ生きているだけで俺を大事に思ってくれる人々に出会えたが。

あの頃、俺は自分の価値を失わせない為に必死だった。全く滑稽な姿だったことだろう。

毎日が苦痛だけで出来ていた。一生分の不幸を注がれているようだった。

卒業までの日数を指折り数えては、心の慰めにする…そんな惨めな日々が、あと二年、続くものだと思っていた。

…でも、続かなかった。

俺の苦しみの日々は、ある日突然、終わったのである。