The previous night of the world revolution

「…ルシファー」

「…」

「…とりあえず、絶交は解除だ」

…それは良かった。

「死ぬなよ。お前が死んだら俺が悲しむからな。勝手に死ぬな。そんなことしたら絶交だ」

ルルシーは、本当に脅しが上手い。さすがはマフィアと言わざるを得ない。

どう言えば俺が自殺を思い止まるか、よく分かっている。

「…大体のことは調べた。お前が…ローゼリア女王の暗殺未遂を起こしたって」

「…」

「そのせいで帝国騎士団から追放された。家からも」

「…」

「…だが俺は、そんなことこれっぽっちも信じちゃいないからな」

「…」

俺は何も答えなかった。

答えるべき言葉が見つからなかった。

彼はどのような手段で今回の経緯を知ったのだろう。

マフィアの情報網は広く深い。一般には報道されていない情報を知ることが出来るのも道理だが。

やはり、オルタンスが濡れ衣を吹っ掛けてきたことまでは知らないようだ。

彼は俺が犯人でないと確信しているようだが、それはクリュセイス家との件を知っているからではなく、感情によるものだ。

「一体何があった?何故お前が罪を被ることになったんだ」

「…」

「…まぁ、答えなくないなら無理には…」

「…俺が、やったんですよ」

「…あ?」

なんとか、ルルシーと絶交せずに死にたかった。

だから、苦し紛れに嘘をつくことにした。

「俺がやったんです。女王を殺そうと…」

「馬鹿か。そんなこと俺が信じると思うなよ」

「…」

…一刀両断されてしまった。

「なんとか言って俺に見放されようとしても無駄だからな。誰が何と言おうとも、どんな証拠を見せられようとも…俺はお前が犯人でないと分かってる。冤罪だ。だからさっさと経緯を話せ」

「…」

…どうやら、逃げることは出来なさそうだった。

苦しいのだけど。心を抉られるようで物凄く辛いけれど。

でも、黙っている訳にはいかなかった。

それに、この期に及んで俺を欠片ほども疑わない人がいるという事実が、心なしか嬉しかった。