The previous night of the world revolution

…彼女と出会ったのは、その直後であった。



俺は皿に山盛りにスイーツを乗せて、心行くまで堪能していた。

掃除機のような勢いでスイーツを平らげる俺を、道行く人はぎょっとしたように見ていたが。オルタンスの許可のもとなので問題なし。

皿の上に残ったチョコレートケーキを食べてから、二回目を取りに行こうと思っていた…そのとき。

「んぐっ!?」

俺の背中に、誰かがどんっとぶつかった。

思わずつんのめってしまい、皿の上に残っていたチョコレートケーキが、べちょっ、と制服についた。

あ、あー…。ケーキが。

いや、ケーキより白い服の方を心配しろ。

今日着てきたのは、いつぞやインクで汚してしまったから仕立て直したばかりの、帝国騎士団の礼装用制服。

それが今度は、チョコクリームに汚されてしまった。

なんてことだ。俺の制服は…汚される運命なのか。

神は俺に、制服を着るなと言っているのか。

そんなことより。

「…大丈夫ですか?」

振り向くと、俺にぶつかってきた女の人が、ふらふらしていた。

いかにも酔っている風で、千鳥足である。

右手には空になったワイングラス。どれだけ飲んだらそうなるのか。

「え…?誰…?」

とろんとした目で、彼女は俺を上目遣いで見つめた。

完全に酔っぱらっていらっしゃる。

チョコクリームのついた制服を何とかする前に、彼女を何とかしなくては。

「ちょっと…ちょっと行きましょう」

俺は千鳥足の彼女を支えて、ひとまず会場の外に連れ出した。