The previous night of the world revolution

一時間後。

「はー。さっぱりしたー」

「…長いなお前…。女子かよ」

え、女子?

優雅にロイヤルミルクティーの湯を楽しんでいただけなのに、女子扱いされた。

この人達、お風呂一時間入らないの?鳥か何か?

「つーかお前、甘っ。糞みたいに甘い匂いがする」

「良い匂いでしょう?ロイヤルミルクティー。お湯抜かずに出てきたので、お二人も堪能出来ますよ」

「余計な気遣いだ」

アドルファスは俺のロイヤルミルクティーの湯を断固として拒否。素直じゃないと言うか、面白味のない男だ。

「…それより、何だよその服は」

「服…?」

何かおかしいだろうか?俺のパジャマ、代わりのルームウェア。

「何だその耳は」

「うさ耳パーカーじゃないですか。可愛いでしょう?」

「お前は女子か?」

俺が着ている真っ白のルームウェアは、フードにぴょこんぴょこん、とうさ耳がついていた。

何でそんなところまで見るんだ?アドルファスは。

「…ところで、誰が何処のベッドで寝るとか決まってます?」

「話を変えんな。あと、好きなところで寝ろよ」

「オルタンス殿、何処が良いですか?」

「好きに選んでくれ」

俺がロイヤルミルクティーの湯に入ろうが、うさ耳パーカー着てようが、オルタンスは相変わらず、全く動じない。

アドルファスは見習えば良いと思うんだ。少しは。

さて、それはさておき、三つ並んだふかふかのベッド。これの何処に寝るかだが。

大体皆、端っこで寝たいんじゃないかなぁと思う。

俺も出来れば端っこのベッドを選びたいところだが、ここはあれだろう。先輩方に譲るべきだろう。

ほら、一番風呂も譲ってもらっちゃったし。

それに俺は、何処のベッドでも特に気にしないし。

「じゃあ真ん中もらいますね」

「そうか」

真ん中のベッドに腰掛け、試しにこてん、と横になってみる。

うん。素晴らしいふかふか具合。さすが帝都一のスイートルーム。

「あぁ、ふかふか…。お休みなさーい」

「お休みって…。早過ぎるだろ。今何時だとおも、」

「…zzz…」

「!?」

一瞬にして夢の世界に旅立った俺を、アドルファスは驚愕の眼差しで見つめていた。

「…さっきまで喋ってたよな?これ本当に寝てんのか?いくらなんでも早過ぎるだろ」

「飛行機の中でろくに眠れなかったからじゃないか?」

「いや、結構ぐーたら寝てただろ…。しかもまだ九時だぞ。何でこんな一瞬で寝られるんだ?寝付きが良いにも程がある」

「5秒くらいだったな」

「化け物かよこいつ…」

俺が寝てるのを良いことに、言いたい放題の二人であった。

「…どうでも良いが、先に入浴するか?」

「いや…お前先に行けよ」

「分かった」

やっぱり、相変わらずオルタンスはマイペースであった。








ちなみに、オルタンスがお風呂から出た後。

「…うわ甘っ!何だこの甘い匂い!お前こいつの紅茶風呂入ったのか!?」

「物は試しと思ったんだが…。予想以上に匂いがきつかった。良ければ試してみると良い」

「俺は絶対試さないからな」

ロイヤルミルクティー臭漂う俺とオルタンスを尻目に、アドルファスは無情にも、浴槽のお湯を抜いたのだった。