The previous night of the world revolution

何もかもが、悪くなる一方だった。

いじめはどんどんエスカレートする。教官からの扱きも酷くなっていく。クラスメイトの無視は相変わらず。

相談しようにも、またお前か、と門前払いされる始末。

外部とも遮断され、救いを求められる人間は誰もいなかった。

今でこそ、色んな手段を考えられる。無理矢理にでも逃げ出して警察に駆け込むなり、実力行使でやり返したり、話をまともに聞くまでストライキしたり。

正常な精神状態だったら、いくらでも手段は考えられるけれど。

でも、今の…この状況では、無理だった。

追い詰められた俺は、酷く悲観的な思考をしていた。自分は何をやっても駄目だと、何もかも上手く行かないと思い込んでいた。

たった一つ年上なだけのあいつらが、まるで何があっても逆らえない絶対君主のように見えていた。

今なら奴らが束になってかかってきても、軽くあしらえるのだが。

朝も昼も夜も、頭の中を悲観的な考えがぐるぐるしていた。暗い未来しか見えなかった。それが辛かった。

そんな状態で、勉強や剣術に打ち込めるはずがなかった。

授業中はぼーっとする時間が増え、教官に何か質問されても上の空だった。

身体が上手く動かず、いつもだるくて、倦怠感に襲われていた。

そのせいで成績はどんどん下がっていき、進級も危ぶまれるほどだった。

騎士官学校に留年制度は原則存在しない。病気や怪我などの理由がなければ、成績不振で進級出来なかった学生は容赦なく退学処分とされる。

ウィスタリア家の次男ともあろう者が成績不振で退学なんて、末代までの笑われ者になるのは目に見えていた。

恐らくそんなことになれば、実家から勘当されていただろう。

でも俺は、別に退学になっても良いと思っていた。退学になれば、もう殴られることもない。

そう思っていたから、特に焦りはしなかった。退学になれば良いのに、とさえ思った。

…まぁ、退学にはならなかったのだが。

生まれ持った無駄な才能が、俺の落第を阻んだせいだ。

ぎりぎりの線で落第は免れたが、それでも最低の成績であることに変わりはなかった。

学期末の長期休暇の際、俺はゴミみたいな成績表を持って、実家に帰った。