アシスファルト帝国は、ルティス帝国のお隣さんの国である。
長い歴史の中で、対立したり仲良くしたりと繰り返してはきたけど。
ここ数百年はずっと、同盟国として友好関係を築いていた。
ルティス帝国の半分の半分くらいの国土と国力しかないが。
果物や、俺の好きな砂糖、更に宝石などが特産品で、ルティス帝国の一番の貿易相手でもある。
そんな国に、ここにいるメンバーで訪問?
「確か、アシスファルト帝国は…王様が変わったんですよね?」
「あぁ」
つい昨年、老齢であった先代帝王が病死し、その息子が王位を継いだはず。
「新帝王の即位式典が執り行われるそうだ。それに伴い、先代帝王がルティス帝国と結んだいくつかの友好条約を、今後も継続するという旨を正式に発表するそうだ」
「あ、成程…。それで我々が呼ばれるんですね」
「そういうことだ」
いちいち発表なんてしなくても良いものを。要するにパフォーマンスな訳だ。
国民や諸外国に、俺達こんなに仲良しですよ、という格好を見せたいのだ。
よくあるじゃないか。両国の首脳が笑顔で握手して…みたいなあれ。あれをやりに行くのだ。
ははぁ。オルタンスも大変だ。
本来こういうのはオルタンスでなくローゼリア女王が赴くべきなのだろうが、今回はオルタンスに一任したらしい。
…ん?
「…それで何故俺まで?」
「後学の為だ。貴殿に経験を積ませたくてな」
「…」
お心遣いありがとうございます。でもそれがプレッシャーです。
「気が進まないか?アシスファルトは砂糖が名産だから、貴殿の好きな砂糖菓子も種類豊富だと思うが…」
「分かりました。是非とも連れていってください」
「…現金な奴だな…」
アドルファスが隣で呆れているが、気にしない。
人間とアリは、砂糖の誘惑に勝てない生き物なのだ。
「俺まで行くのかよ」
「彼の技量を疑う訳ではないが、さすがに、ルシファーだけでは少し頼りないからな」
そういうのは傷つくから俺の前で言わないで欲しかった。
そうですね。俺若いし。砂糖菓子に目が眩むし。正しい判断だ。
「気が進まねぇなぁ…」
「気持ちは分かるが、付き合ってくれ」
「ルシェにでも頼めよ」
「騎士団長と副団長が同時に国を空ける訳にはいかない」
「…仕方ないな」
あれこれぶつくさ言ってたアドルファスだが、結局は頷かざるを得なかった。
「詳細は追って知らせる。準備をしておいてくれ」
それで話は済み、甘々の紅茶を飲み干して、俺はオルタンスの執務室を後にした。
長い歴史の中で、対立したり仲良くしたりと繰り返してはきたけど。
ここ数百年はずっと、同盟国として友好関係を築いていた。
ルティス帝国の半分の半分くらいの国土と国力しかないが。
果物や、俺の好きな砂糖、更に宝石などが特産品で、ルティス帝国の一番の貿易相手でもある。
そんな国に、ここにいるメンバーで訪問?
「確か、アシスファルト帝国は…王様が変わったんですよね?」
「あぁ」
つい昨年、老齢であった先代帝王が病死し、その息子が王位を継いだはず。
「新帝王の即位式典が執り行われるそうだ。それに伴い、先代帝王がルティス帝国と結んだいくつかの友好条約を、今後も継続するという旨を正式に発表するそうだ」
「あ、成程…。それで我々が呼ばれるんですね」
「そういうことだ」
いちいち発表なんてしなくても良いものを。要するにパフォーマンスな訳だ。
国民や諸外国に、俺達こんなに仲良しですよ、という格好を見せたいのだ。
よくあるじゃないか。両国の首脳が笑顔で握手して…みたいなあれ。あれをやりに行くのだ。
ははぁ。オルタンスも大変だ。
本来こういうのはオルタンスでなくローゼリア女王が赴くべきなのだろうが、今回はオルタンスに一任したらしい。
…ん?
「…それで何故俺まで?」
「後学の為だ。貴殿に経験を積ませたくてな」
「…」
お心遣いありがとうございます。でもそれがプレッシャーです。
「気が進まないか?アシスファルトは砂糖が名産だから、貴殿の好きな砂糖菓子も種類豊富だと思うが…」
「分かりました。是非とも連れていってください」
「…現金な奴だな…」
アドルファスが隣で呆れているが、気にしない。
人間とアリは、砂糖の誘惑に勝てない生き物なのだ。
「俺まで行くのかよ」
「彼の技量を疑う訳ではないが、さすがに、ルシファーだけでは少し頼りないからな」
そういうのは傷つくから俺の前で言わないで欲しかった。
そうですね。俺若いし。砂糖菓子に目が眩むし。正しい判断だ。
「気が進まねぇなぁ…」
「気持ちは分かるが、付き合ってくれ」
「ルシェにでも頼めよ」
「騎士団長と副団長が同時に国を空ける訳にはいかない」
「…仕方ないな」
あれこれぶつくさ言ってたアドルファスだが、結局は頷かざるを得なかった。
「詳細は追って知らせる。準備をしておいてくれ」
それで話は済み、甘々の紅茶を飲み干して、俺はオルタンスの執務室を後にした。


