The previous night of the world revolution

「こ、この中って…。犯人と二人でいるということか?」

「あぁ。そういうことだ」

「何故そんなことに?」

「本人が名乗り出た。自分が説得する、と」

「…」

まさか俺にそんな行動力があるとは思っていなかったのか、リーヴァは唖然としていた。

そしてまさか、オルタンスがそんなことを許すとも思っていなかったのだろう。

「それも、丸腰でだ。剣も銃も私に預けていった」

ウィルヘルミナさんは、片手に持った俺の剣を見つめながら言った。

「なんということを…。危険極まりない。相手は爆弾を持っているんだぞ?もし起爆したら、ルシファー殿もただでは済まない」

もし爆弾が爆発したら、多分俺も…最悪死ぬだろうし、死ななくても重傷は確実だ。

そんなこと、俺だって承知の上である。

「何故そんなことを許可した?」

「彼があまりにも自信に満ちていたから、つい」

「ついって…」

「我々にはない秘策があるのだろう。彼はまだ未熟とはいえ、帝国騎士団四番隊の隊長なんだ。任せても良いだろう」

「…」

この点、オルタンスは俺を信用しているということなのだろう。

「俺はこう見えて、あの男に結構期待しているんだ」

まぁ、そうでなければ連れてはこないだろうが。

「…それで重傷を負ったら、貴殿はルシェ殿にどう弁解するつもりだ?どう前向きに考えても…殺されるぞ」

リーヴァが心配しているのは、つまりそれだった。

俺に何かあったら、黙っていない人物がいる。

まして、オルタンスが危険を承知で犯人の説得を許可したなんて、知られたら。

「…確かに、それは少し不安だな」

「…」

「そのときは、出来ることなら…ルシェの怒りを鎮める為に、協力してくれ」

「…俺は自ら望んで、火山に飛び込む趣味はないのだが」

「そうか。それは残念だ」

「…」

オルタンスが、あんまり、何も考えていないことが判明した。

とはいえ、倉庫内で説得を続ける俺には、知りようもないことである。