The previous night of the world revolution

「リーフリルさん、こんにちは」

爆弾を捨てろ、ではなかった。

早く出てこい、でもない。

そんな言葉を、彼女は求めている訳ではなかった。

俺は腰に提げている剣を二本とも床に投げ、ついでに拳銃もウィルヘルミナさんに預けた。

こんなものを持って、交渉も糞もない。

出来るだけ爽やかに声をかけようと思ったのだが、しかし彼女ほどの年の女の子にしてみれば、俺なんておっさんも同然なのかもしれない。

せめて制服でなく、私服で来るべきだった。

これじゃ、帝国騎士団の人間であることが丸分かりだ。

でも、仕方ない。これで行くしかない。

「ちょっと、俺とお話ししませんか。大丈夫。俺今、丸腰ですから。いきなり襲ったりしませんよ」

「…」

紛れもなく本当のことを話しているのだが、リーフリルさんは疑いの目で俺を睨んだ。

そりゃそうなる。さっきまで馬鹿な教官が脅すから。

「絶対悪いようにはしないって約束します。俺、こう見えて帝国騎士団の、隊長なんですよ。めちゃくちゃ新米ですけど。でもそれなりの権力はあるので、あなたを悪いようにはしないと約束します」

ちょっと茶化して言ってみたが、リーフリルさんはやはり、信じてはいないようだった。

駄目か。本当のことしか言ってないんだがな。

「俺を信用出来ないなら、爆弾は持ったままでも良いです。この際、俺に投げつけてくれても大丈夫ですから」

まぁ、運が良ければ生き残るだろう。

無辜なる帝国民が死ぬよりは、俺が死んだ方がまだましだ。

俺だって死にたくないから、出来ればそれは遠慮して欲しいが。

でも、そのくらい言わないと…誠意が伝わらない。

「だからちょっとだけ、話をしましょう?大丈夫。絶対騙したりしませんから。もし騙してたら…そう。帝国騎士団四番隊隊長は、青二才の童貞だってネットに書き込んで構いませんから」

それをやられたら、俺は確実に泣くがな。

だから全力でやめてもらいたいけど、信用してもらうにはそれくらい言わなければ。

そこまで言うと、リーフリルさんもさすがに少しは警戒を解いてくれたのか、近寄るなとは言わなかった。

よし。

まずは、第一関門突破だ。