「…それにしても」

ルシアナさんとの挨拶を終えてから、ウィルヘルミナさんが言った。

「貴殿はルシファー殿と面識があったのだな」

ウィルヘルミナさんは、俺ではなく、ルキハに向かって話しかけた。

何のことかと思ったが、すぐに分かった。

そういえばルキハは、ウィルヘルミナさんの八番隊所属なんだ。

つまりルキハにとってウィルヘルミナさんは、直属の上司ということになる。

「学生時代からの友人です」

ルキハは、淡々とそう答えた。

「そうなのか…。その関係が今も続いているのだな」

「えぇ」

そう思うと、なんだか誇らしい。

帝国騎士官学校時代にルキハと出会っていなかったら、どんなにか退屈な学生生活を送っていたことか…。

…あれ?

そういえば俺、何でルキハと仲良くなったんだっけ?

なんだかよく思い出せないけど、とにかくルキハが俺の友人で良かった。

それ以上に大事なことはない。