The previous night of the world revolution

「…そしてウィルヘルミナさんは、そういった人達を支援する活動をしている、と?」

「あぁ、そうだ」

俺にわざわざそんな話をするということは、そうなんだろう。

成程。事情は分かった。

「でも、どうして俺を?俺なんかより、姉さんとか誘った方が良くないですか?」

こういうのはやはり、気持ちが分かる女性の方が適任なのではないかと思ったが。

「女だけで活動してもな…。また女が何か騒いでる、としか映らないんだ。男性の目には」

「あぁ…」

そういうことか。

男である俺が支援に参加したら、男達も少しは見る目が変わる、か。

しかし腑に落ちないことはまだある。

「それなら俺でなくても、他にも適任がいるのでは?」

隊長連はほとんどが男性なのだから。

リーヴァとか良い仕事してくれそうだけどなぁ。

「他の隊長達はそれなりに女性経験があるからな…。どちらかと言うと経験のない貴殿の方が差別意識に囚われなくて良い」

「…」

「ついでに言うと、貴殿が一番時間的余裕がありそうだったものだから」

「…童貞で暇そうなお前が一番適任だろって、はっきり言ってくれて良いんですよ」

「…別にそんなつもりはないんだが」

すっ、と目を逸らすウィルヘルミナさん。

良いよ、分かってるから。どうせ俺は童貞だし、しかも暇ですよ。

他の隊長さん達は、ウィルヘルミナさんが女性の人権活動をしてるように、隊長職に加えて色々活動してる人が多いからな。

それらに携わってない俺は、確かに暇そうに見えるのだろう。

実際他の隊長に比べると、俺は暇だ。

しかも童貞。考えれば考えるほど適任だなぁ。涙出そうになるけど。

「…それで、どうだろう?興味はないか?」

「…」

改めて問い掛けられ、俺は少し、考えてみた。