The previous night of the world revolution

帝国騎士官学校学生寮の部屋は、基本的に六人部屋である。

部屋割りはランダムで決められ、新入生ばかりの部屋もあれば、俺みたいに先輩達ばかりの部屋に一人放り込まれることもある。

部屋の中には、室長が一人選ばれる。

一つのフロアにはA~O室まで15部屋あり、各部屋に室長が一人ずつなので、フロアごとに15人の室長がいる。

更にその室長の中から、一人のフロア長が選ばれる。

学生寮は四階建てなので、フロア長は四人。その四人の内から、学生寮での寮長が選ばれる。

学生寮にいる学生の責任者は、この寮長である。

俺のN室には、三階のフロア長がいた。

騎士官学校は徹底した縦社会で、上下関係が恐ろしく厳しい。

早い話が、教官や上級生が右だと言ったことなら、例え左であっても右だと言わなければならない。そんな社会。

出会い頭に泥水ぶちまけられても、俺が唯々諾々と従ったのはそのせいである。

ここでは民主主義など泥水も同様だ。

俺が逆らっても、鼻で笑われるだけだ。

最悪なことに、このN室には新入生は俺しかおらず、全員が上級生だった。

逆らえるはずがない。

…まぁ、俺も『先輩には逆らってはいけない』と洗脳されていたから、逆らうなんて思いもよらなかったが。

六年間あの部屋の中で過ごしたが、安らげた記憶は全くない。

とにかく毎日が、悪夢だった。