The previous night of the world revolution

…翌朝。

四番隊隊長として迎える、最初の朝。

さすがに緊張して、八時間くらいしか眠れなかった。

普段は十二時間くらい普通に寝るのになぁ…。

なんてルキハとか姉さんに言うと、寝過ぎだ馬鹿、って言われる。

俺はあれだ。ロングスリーパーという奴なのだ。多分。

単純にお布団大好きなだけなのだが。

そんな冗談はさておき、その日は朝一番に…女の人が、俺の部屋を訪ねてきた。




「…初めまして。四番隊副隊長の、シャルロッテ・レギンヒルトです」

「はい…どうも」

訪ねてきた若い女性は、四番隊の副隊長さんであった。

その名も、シャルロッテさん。

長い髪をぴしっ、とまとめ、前髪もピンでぴしっ、と留めている。

制服にも皺一つなく、眼光も鋭くて…いかにも俺の苦手そうな女性であった。

顔は美人なのだが、とても気が強そうだ。

しかも。

「ルシファー様は随分若くていらっしゃいますが。四番隊の隊長となられたからには、すべきことはきちんとこなして頂かないと困ります。責任と自覚を持って、業務にあたってくださることを願います」

「はい…」

初対面でこの物言い。駄目だ。やっぱり仲良くなれなさそう。

どちらが上か分かったものじゃない。

実際俺は昨日入ってきたばかりの新人なのだから、彼女の方が先輩で上司のようなものなのだけど。

「では早速ですが、こちらの書類、全てに目を通して必要事項を記入してください」

「…おぉ…」

シャルロッテさんは俺の机の上に、どさっ、と書類の山を置いた。

その書類の山と来たら、正に書類のエベレスト級だ。

感心してる場合じゃないぞ。

「これ全て、今日中にお願いしますね」

「えぇぇ…?」

これを全部今日中って。入社二日目にしてなんたるオーバーワーク。パワハラだパワハラ。

「それでは」

シャルロッテは慇懃無礼な態度で一礼し、俺の執務室をあとにした。

残されたのは半ば呆然とする俺と、机の上のエベレスト。

「…マジですか」

俺がもし小鳥であったなら。そこの窓から飛んで逃げるのだけど。

そんなことも出来ないので、仕方なく一枚目の書類を手に取った。