薄目からだんだんと蒼の目が開いた。

わぁーどうしよ……
あーどうしよう〜
どうしよう!!
どうしたらいい?

蒼は確かめるように、寝ぼけた様子で唇に触れた。

慌てて反対側を向いた。

気付いた?

完全に……バレてるよね?

「キスの練習!?」
蒼の声に驚いて振り返った。

蒼はゆっくりと体を起こした。



「えつ……」
言葉か見つからない。

蒼の視線がイタい。

「ごめん……」
それしか言えない。


「もう一回練習する?」
真剣な眼差しで蒼は私の目の前に立った。

私はどう反応していいのか戸惑ってしまう。

さっき私が蒼に近づいてキスしたように、蒼の顔が近づいてくる。

優しい視線だ…こんな顔するんだ。

私は目を閉じようとした。

全身が心臓になったみたい。

触れる直前で蒼は止まった。

それから離れていった。