海よりも深くて波よりも透明

あ~…。



せっかく気を紛らわしたのが無意味に…。



眠れるはずもなく穂風の顔を眺めてたら、穂風が一度目を開いて俺の顔を見た。



「ドキドキしすぎて逆に寝れないかも…」



そう言って、俺のことをぎゅっと抱きしめてもう一度眠る。



寝れねえのはこっちだわ!!



俺の悶々とした気持ちとは反対に、穂風はしばらくして寝息を立て始めた。



寝れねえっつってたのに安心して眠ってる感じがまた可愛いし…。



俺は寝れねえけどな…。



せめて乳くらい触ってもいいっすか…?



穂風の胸に伸びかけた手を、ギリギリの理性で止める。



寝込み襲うのは最低すぎ…。



ベッドから出てベランダでたばこ吸ったり。



落ち着いてからベッドに戻ってまたムラつく繰り返し。



結局、死にそうになりながら、ほとんど眠れず朝になった。



なんかエロい夢見た気がするし…。



はあ…。



まじ勘弁…。



「ん…おはよ…」



隣の姫は熟睡できた様子。



穂風が熟睡できたならなんでもいいっす…。



「朝起きて隣に夏葉がいるの最高…」



そう言って眠そうな目をしながら俺のことを抱きしめる。



可愛すぎるわ…。



穂風の髪の毛を撫でつつ、おでこにキスした。



穂風はふにゃふにゃした顔で笑ってる。



押し倒して~…。