適当にその辺で済ませるか～と考えていたら、アンディがレストランで食事を奢ってくれて。



そこそこの良い店。



食事をしながら、アンディが俺に「気になる選手はいるか」と聞いてきた。



「(そうっすね…。やっぱり日本人選手は注目したいです)」



俺がそう言うと、アンディはにやっと笑った。



「(穂風は恋人でもあるしね)」

「(…からかうのやめてください)」

「Hahaha」



アンディは楽しそうだ。



「 (まあ冗談は置いといて、穂風は良いサーファーだ)」

「(俺もそう思います)」



俺がそう言うと、アンディは優しい目をした。



「(彼女のサーフはすごくリラックスしていて美しい。あまりにナチュラルに乗るから、そのインパクトはあまりレンズ越しには伝わらないけどね)」

「(そうかもしれないっすね。俺も、写真じゃなくて、実際に生で見たときに穂風のサーフに惹かれました)」

「(だが君の写真は、穂風のサーフをより魅力的に見せる可能性が詰まってると思ってる)」

「…」

「(恋人だから、というだけじゃないよ。もちろんそれも良い面だけどね。夏葉の写真は生で見たときの感動を映し出すことに優れてると俺は思ってる)」



なんて贅沢な時間だ…。



穂風が褒められたことも、そんな風に俺のことを評価してくれることも。



もっと頑張りたい。



それから、サーフィンや写真について語り合い、タメになる話も色々聞けた。



つくづく、選手だけじゃなく俺の勉強にもなる合宿だ。



連絡先も教えてくれたし。



何かあったら頼れと言われた。



まじで嬉しい…。



アンディとハグをしてからホテルの部屋に戻った。



穂風からメッセージが来てる。



『明日のお昼は一緒に食べようね！』



まじ可愛いわ…。



同じホテルだったら襲いそうなので同じホテルじゃなくて良かったとまで思う。



さすがに、旅先で調子乗ってヤッちゃいましたーなんてそよ子さん達に顔向けできないようなダセぇことはしたくねえよ…。