「…ok」



愛姫がぼそっと言った。



「なんか俺にだけ冷たくね?」

「I don’t know…」



お前が悪いぞ、悠星…。



みんなで集合場所のホテルに来た。



このホテルは、選手たちが宿泊するホテル。



海の目の前にある良いホテルだ。



ちなみに俺たちスタッフ側の人間はここから20分ほど離れた安宿に泊まる。



仕方ないが、選手の待遇とスタッフの待遇の差が明確だ。



全員が集合し、MAKANAアメリカ本社の社員が英語で説明し、全員を紹介する。



アシスタントの他に、カメラマンは、俺ともう一人のアメリカ人のベテラン。



まじでここに入れてもらえるのがありがたい…。



紹介と挨拶が終わったので、一時間後に海で集合になった。



俺は改めてもう一人のカメラマンに挨拶。



アンドリュー・グレイ。



50歳過ぎの白人のアメリカ人。



シミの数と赤い肌がどれだけこの世界で活躍してきたかを物語っている。



「Nice to meet you」



俺が挨拶したら、陽気な笑顔で握手してくれた。



めっちゃ良い人っぽい。



「(夏葉だね。君の写真見たよ)」

「(まじっすか!?)」

「(君の写真は選手の魅力を等身大に写してる。すごく良いよ)」

「(ありがとうございます…)」

「(そこに、より選手を魅力的に見せられるような芸術性が加わるともっと良くなる)」



なるほど…。



こんな直接助言もらえる機会、なかなかねえからまじで嬉しい…。



アンドリューは俺にアドバイスをしてから、ハッハッハと大声で笑った。



「(偉そうなこと言って悪いね。俺もまだまだだから一緒に頑張っていこう)」

「(そんな…)」

「(俺のことはアンディって呼んでくれ)」



アンディ…。



かっけえっす…。



陽気なアンディにホッとしつつ、一時間後に機材をそろえて海へ。



試合のときはゼッケン付きのウェットスーツかラッシュガードを着てる穂風は、今日はビキニ。



赤のサーフボードにペイズリー柄のビキニで目立ってる。