確かにサーファーにとってはレジェンド級の2人だしね…。



あたしから見ても2人はかっこいいし。



あと、パパとママ、普通にちょっと雰囲気怖いよね…。



夏葉のご両親はどんな感じなんだろ。



「あたしも夏葉のご両親会いたい」

「あー…、まあいつかな。高校生に手出したって知られたら母親からぶん殴られそうだし」

「お母さんそんな怖い感じ!?」

「なんつーか、うち母子家庭で、俺の他に姉が一人いるから、女手一つで子供2人育てて逞しくなったみたいな?」



なるほど。



会ってみたいな~。



っていうかお姉ちゃんいるんだ!



「お姉ちゃんいくつ?」

「10個上だから…32?」

「うそ!」



めちゃくちゃ大人のお姉さんじゃん…。



弟のことすごいかわいがってるんじゃない?



「弟の彼女として嫌われる!?」

「そういうタイプじゃねえから」



なら一安心…。



なんて夏葉としゃべってたら、何人かから声をかけられた。



今度は、親のことに加えて「穂風さんの恋人ですかー?」ってことも結構聞かれて。



みんな他に聞くことないのかなと思いつつ、夏葉が彼氏だと答えるのがなんだか誇らしかった。



でもさすがに疲れたな…。



パーティーが始まってから2時間くらい。



どこか静かなところに行きたい…。



っていうか、夏葉と2人になりたい…。



あたしがそう思ったちょうどそのタイミングで、夏葉も同じことをあたしに言った。



「2人になりてえ。最近なってねえし」



きゅん…。



2人になれるところ…。



あっ、そうだ。



「夏葉、こっち」



夏葉の手を引いて、会場から抜ける。