海よりも深くて波よりも透明

「付き合う前だし…」

「だからタチ悪いんじゃん!」



穂風がキレてる。



なんとなく肩身が狭い俺…。



おかしくね!?



俺別に悪くないよな!?



穂風のこと忘れようとしただけだし…。



実際無理だったし…。



「で? 夏葉はその女とエッチしたの?」

「してねえよ…」

「どうだか」



おい!



まじしてねえよ!



ゲンさんがそっと穂風の前に枝豆を出した。



俺は!?



ヒロさんが俺の隣から穂風の隣に移動した。



「穂風ちゃん、こんな最低男やめて俺にしとく?」

「やだ。あたしは夏葉の物だもん」



穂風ちゃん…。



もう俺は何も言えねえよ…。



俺のことめちゃくちゃ好きじゃねえか。



そのあとも穂風にキレられ、周りの人たちにからかわれながら、なんとか誤解を解いた。



帰るときにはみんなから祝われて。



穂風は最後俺にべったりだったけど。



穂風がどれだけ俺のことを好きかわかった日だった。



あと俺も…。