時間を見たら夜の23時。



日本は朝だ。



大学に行く準備をしてる頃か…?



電話をかけてみた。



≪もしもーし≫

「はよ。よく眠れたか?」

≪うん! 夏葉は今から寝るところ?≫

「いや、リアムと外で飲んでた。穂風の声聞きたくなって」

≪へへ。元気出た~?≫

「超」



穂風は本気で俺の癒しだ…。



冗談じゃなく本当に元気が出てくる。



「リアムがまたいつもみたいに俺に浮気させようとしてくんだよ」

≪何それ≫

「女2人ナンパして、4人で部屋で飲もうぜって。俺は何回この手の誘いを断ればいいんだよ…」

≪夏葉もそういうの行きたくなるの?≫

「まさか。穂風以外に興味ねえよ。だから早く触らせてくんねえ?」

≪あたしも早く触ってほしいよ≫



やっぱバカップルだな、俺ら…。



だけどこういう時間が最高に幸せなんだ。



しばらく穂風と話してから、大学に今から行くという穂風を送り出した。



「野本と浮気すんなよ」

≪だからしないって…。彼女とすごいラブラブなんだから≫

「言ってるだけかもしれねえだろ」

≪夏葉って野本くんのことになるとなんかバカになるよね≫



バカって言われた…。



だって気になるんだから仕方ねえだろ…。



「じゃあ本当に行くね、またね」

≪おう、気を付けてな≫



そして切れた電話。



俺は一人帰り道を歩いた。