「(まあ面白くはねえけど。コイツいいやつだし。穂風の相手が夏葉で良かったと思ってる)」

「龍臣さん~!」

「おい、抱き着くなよ!」



だって嬉しいし…。



「(夏葉は穂風と結婚したらタツの義理の息子になんのか? すげえな)」

「(たしかに…)」



あんま穂風を世界の岩崎龍臣の娘として見てなかったが、言われてみればすごいことだ…。



「(穂風もこの一年の間に撮りてえな)」

「(まじ?)」

「(うん、あいついいサーファーだし。撮りがいあんだよ)」



それは分かる…。



穂風のサーフは瞬間瞬間でも表情が違うし。



何より生き生きとしている。



それからしばらく飲んで、滞在してる家へ帰った。



穂風に電話をかける。



日本は今夕方だ。



≪もしもーし≫

「何してた?」

≪海入っててさっき出たとこ! 今日超波良かったよ≫

「そうか。俺は龍臣さんと会ったぞ」

≪パパに!?≫



今日のことを穂風に話した。



穂風は楽しそうに俺の話を聞いてる。



≪リアムとも全然会ってないから久しぶりに会いたいな≫

「俺的には穂風に手出されるから会わせたくねえけどな…。あの人まじで節操ねえ…」

≪アハハ。分かる分かる。もし手出されそうになったらビンタするから安心してよ≫

「ははっ。たくましいな」



しばらく話して電話を切った。



俺も穂風も毎日頑張ってる。



会えねえ分頑張ろうという気持ちが強い。



早く会いてえけど…。



会えるまでお互い辛抱だ。



おやすみ、穂風…。