飛行機が目的地の空港に着くと、到着ロビーに愛姫が見えた。



と思いきや、愛姫がこっちに向かって走り出し…。



悠星くんに抱き着いた。



その場にいた全員が2人を凝視する。



到着早々やるねえ…。



「I missed you~~!」

「日本語で頼む」

「あいたかったよー!」

「ん、俺も」



まさか悠星くんを嫌ってた愛姫がこんなになるとは…。



それから、空港にはアンディも。



「(久しぶり、元気だったかい?)」



夏葉とアンディは軽くハグをして、お互い背中を叩き合う。



あたしもアンディにぺこっとお辞儀をした。



「(今回もよろしくね)」

「(はい、こちらこそ! アンディに撮ってもらうの楽しみにしてます!)」

「(ハハッ、彼氏もカメラマンとしているのに?)」

「(これはこれ、それはそれです)」



夏葉が「おい…」とジトっとした目を向けてきたので知らないふりをした。



それから全員でホテルに移動して、荷物を置いたり準備してからビーチに集合した。



今日のあたしは新調したイエローのビキニ。



うん、我ながら焼けた肌によく似合う!



夏葉に見せびらかしてたら、悠星くんが夏葉に耳打ちした。



「おい、俺の彼女そんなにジロジロ見ないでよ」

「見てねえよ…。悠星こそ穂風のことあんま見んなよ」

「安心して、愛姫しか目に入んねえもん」

「俺らは高校生か!」



面白い会話…。



なんてやってたら、杉下真恋が夏葉たちのところにトタトタ走ってきた。



「悠星さん、はじめましてえ~! 今日会えてめっちゃ嬉しいです!」

「おお、本物の杉下真恋だ。よろしく」

「ちょっと、本物のって何ですか~! あはは、悠星さん超面白いですね!」

「テンションたか…」



真恋が口元に手を当てて笑ってる。



それから真恋が夏葉のほうを見て、「今日きれいに撮ってくださいね」と言って、また笑った。



え! ムカつくかも!



何て言うんだっけ、こういうの…。



ぶりっこ…?



愛姫の方を見ると、愛姫もイライラした顔をしていた。