「(いや…まじ良い写真っすね…)」

「(お前のも見せてみろよ)」



リアムに、今撮った写真を見せてみる。



「(夏葉のも俺は写実性が高い上になんか洒落てて好きだけどな~。俺だったら、これをこういうアングルで撮る)」



そう言って、リアムが俺のカメラをおもむろにそこら辺のサーファーに向けた。



「(ほら)」



見せてもらった写真は、素人のサーファーとは思えないくらいすげえ良い…。



さすがだな…。



俺も真似して撮ってみた。



あ…さっきより良いかも…。



「(すげえ良いじゃん! さっきのお前のも良かったけど、なんか輝き増した感じすんな)」



リアムの真似しただけだけど…。



リアムってやっぱすげえ…。



1日、リアムと一緒に写真を撮ってた。



なんかこの1日だけですごい洗練されたような気が…。



それから日が暮れて、今日は終わりに。



「(じゃあな、夏葉)」

「(まじありがとうございました…)」

「(また会えんの楽しみにしてるわ)」

「(こちらこそっす…)」



まじですげえ経験したかも…。



今日撮った写真を見返してみる。



だんだん良くなっているのが自分でも分かる。



真っ先に考えるのが穂風のこと。



早く穂風に見せてえ…。



それで、早く穂風のサーフをこのカメラに納めたい。



逸る気持ちで、穂風の家に向かった。



家の前でインターホンを押す。



≪はーい、って、え、夏葉!? なんで?≫



出たのは穂風だった。



「さっきまでリアムと海で写真撮ってた。穂風に見せてぇと思ったから来たんだけど入れてくんね?」

≪わかったけどめちゃくちゃ突然…≫



それから門の施錠が解除されて、中に入る。