「(2人はどこ泊まってんすか?)」

「(東京だけど、お前神奈川だろ? 明日行くのめんどくせえしお前ん家泊めてくんね?)」

「(え、いやっすよ…)」

「(いいじゃねえか!)」



リアム、めちゃくちゃ酔ってやがる…。



リアムはカメラマンとしては尊敬してるけど、なんでこんなデカい男泊めなきゃいけねえんだよ…。



「(お~、良かったなリアム)」



アンディまで…。



結局俺は酔っ払いを連れて家に帰る羽目に…。



「(日本の家って小せえな~!)」

「ほっとけ…」



小さい声でつぶやく俺。



「(『ほっとけ…』ホトケ!? 仏か~!)」



あ~くそ…。



「(うわ、コンドーム発見~! 日本のコンドームってすげえ薄いのな! 1箱くれよ)」

「(おい、何勝手に人の引き出し開けてんだよ!)」



最悪だ…。



リアム、写真はすげえかっこいいのに…。



それから酔い潰れるリアムを床で雑魚寝させて俺は自分のベッドで就寝。



ったく…。



次の日起きたらリアムは状況があんまり分かってないらしい。



「(ここどこだ…?ハムスターの家か…?)」



失礼だな…。



「(俺ん家っすけど…)」

「(まじ!? 酔っ払った俺を家に連れ込んで何しようとしてたんだよ)」



おいふざけんなよ…。



始終最悪なリアム。



だけど、その日一緒に海に行って仕事をさせてもらうと、リアムのすごさにびびった…。



同じ被写体を撮ってるのに、惹きつける力が全然違う…。



『より選手を魅力的に見せられるような芸術性が加わるともっと良くなる』



前に俺の写真について評価したアンディの言葉が脳裏に蘇る。



芸術性…。



リアムの写真は、選手を魅力的に映す芸術性がすげえ高い。



「(どうしたんだ?)」



感心してる俺に、リアムが声をかける。