あ、なんか若干落ち着いてきたかもしれねえ…。



穂風に、今起きたことを話した。



≪へえー! チャンスじゃん、夏葉!≫

「だよな…」

≪そんな大物に自分の存在知ってもらえて直接話できるなんて、なんか良い影響たくさんもらえるといいね!≫



穂風の応援がありがてえ…。



穂風は何回かリアムに撮ってもらったことがあるらしく。



やっぱすげえな…。



穂風曰く、リアムは「見た目は超セクシー、中身はクズ」らしい。



中身クズなのかよ…。



憧れの気持ちが若干しぼむ。



と同時に緊張感も薄れてきた。



一時間くらい穂風と話して、目的地に近づく。



≪じゃあ行ってらっしゃい! あたしは寝るね! また明日色々聞かせてー!≫

「ん、ありがとな。おやすみ」

≪おやすみ!≫



ふう…。



っしゃ、行くか…。



緊張の面持ちで、言われた店に入った。



落ち着いた雰囲気のバー。



入ってすぐ、店の奥にいる欧米人2人が目に入ってきた。



1人はアンディ。



もう1人は、雑誌で何回か見たことのある顔…。



リアム・ミラーだ…。



アンディが俺に気づいて軽く手を上げた。



俺は席に近づいた。



「Hi(やあ)」



リアムが気さくに俺に話しかける。



「Hi…(どうも…)」

「(あんたが夏葉? かっこいいじゃん)」

「(いやいや…)」

「(座れよ)」



言われるがまま、俺はリアムの隣の席に座る。



「(あんたの写真結構いいってアンディから聞いたけど)」

「(まだまだっす…)」

「(なんか写真見せろよ)」