しばらくしてからお店を出て、あたしとカイは午後も練習し、それぞれのホテルに戻った。



って…。



「(カイも同じホテル?)」

「Oh my gosh! What a coincidence ! (すごい偶然だね!)」



さすがにちょっと夏葉に申し訳ない気持ちになる。



夏葉ともう何日も会えてないのに~…。



早く夏葉に会いたい…。



夏葉が来るのは大会の2日くらい前だ。



夏葉に会えるまであと5日。



長いよ…。



欠かさずしてる毎日の夜の電話。



いま、日本は深夜の1時くらいかな。



「もしもし!」

《おう》



電話越しの夏葉の声は、むしろ寂しさを募らせる。



「顔見たい…。カメラオンにして?」

《めんどくせえから嫌だ》

「なんで!? 女いるの!?」

《いねえよ…》



夏葉がめんどくさそうに、渋々と顔を見せてくれた。



お風呂上がりなのか、半裸で髪の毛も濡れてる。



えっちだ…。



「浮気したら殺すからね」

《穂風もな》

「するわけないじゃん!」

《俺もしねえよ。つーか穂風も顔見せろ》



あっ、あたしの方はカメラ切れてた。