「穂風…。ほんとまじ悪い…。渋滞はまった…」

《いつ帰ってくるのお~…》



俺も早く帰りてえよ~…。



じりじりと渋滞の中車を進め、ようやく家に着いた。



時間は22時前。



だいぶ予定より遅くなった…。



「ただいま…」



家に入ると、間接照明だけつけた薄暗い部屋で、穂風がベッドに横たわってた。



寝ちまったか?



そう思ったが、むくっと起き上がった。



「夏葉ぁ~…」



そう言って甘えたように俺に抱きついてくる。



どうやら寂しかったらしい…。



ウサギか?



可愛いな…。



「まじ待たせてごめんな?」

「夏葉に触りたすぎて頭おかしくなりそうだった…」



なんだそれ…。



やべえな…。



穂風の髪をそっと撫でておでこにキスした。



「ムラムラしてたってわけね」



意地悪げに言ってみる。



否定されると思ったのに、穂風からは意外な反応。



「そうかも…」



まじで?



そんなこと言われたら俺もやべえんだけど…。



「とりあえず風呂入ってくっから」



そう言って穂風から離れた。



そんな俺を、穂風がシャツの裾を引いて止める。



「あたしも一緒に入る…」

「入ったんじゃねえの?」

「でも一緒に入る…」



そう来たか~…。



甘えモードの穂風は、本当に風呂場まで着いてきた。



狭い脱衣所で、俺と一緒に服を脱ぐ。



よくもまあそんな恥ずかしげもなく…。