急遽閉店した店内で、伯父と姪はじっとテレビモニターを見詰めていた。


その惨状が明らかになるにつれて、亜季は絶望的な気持ちになり何度も目をそらした。

そんな姪を必死に励ましながら、伯父はモニターを見つめ続ける。


分かったことは以下のことであった。


どうやらミサイルの着弾点は不明なものの、テツオの大学のある町に落ちたのは間違いがなかった。

しかもそのミサイルはただの火薬の塊ではなく、卑劣な生物兵器らしいということであった。


つまり、その炎から逃れた民衆に、意図的に病原菌をばら撒くという最悪の兵器であるというのである。


何度目か分からない絶望感を亜季が感じたそのとき、ブラウン管に映る若い男性アナウンサーが、ADによって目の前に差し出された新情報のメモを読み上げた。

そして地図のフリップが出され、何の専門家か分からない評論家がそれを元に説明を始める。


それによると、着弾点はテツオの大学から離れており、どうやらあの炎で死亡した可能性は極めて低いと言えそうであった。

しかしそれを聞いて思わずほっとした亜季の耳に、信じられない一言が入ってきた。