舞い上がる恋心。
暴走気味にエンジンをふかす独占欲。
告白されたと勘違いした俺は、輝星を後ろから抱きしめて、俺だけのものにしようと強引に人気のない部室棟に連れてはきたものの、輝星の横に座っている今、とてつもない後悔に襲われている。
冷静になって勘違いに気がつくなんて、どれだけ舞い上がっていたんだろう。
さっきのは輝星からの告白なわけがない。
輝星が俺を拒絶しているのは一目瞭然だ。
クラスメイトに振りまくような無邪気な笑みなんて、俺には見せてはくれない。
今も俺の隣に座り、ただただ気まずそうに、ただただうつむき続けるだけ。
そういえば輝星は小さいころから、俺を喜ばせるためにオーバーな言葉を使う男子だったな。
『僕は今でも霞くんのことが大好き』という言葉も同様だろう。
流瑠さんのヤケドしそうなくらいの情熱に戸惑う俺を気遣って、誇張表現をこぼしただけに決まっている。
輝星に好かれるはずがないんだから、この俺が。
小6で俺は輝星を拒絶した。
そして拒絶の前には、一生消えることのない酷いヤケド痕を輝星の腕に刻みつけてしまった。



