僕は今、ものすごい勢いで羞恥心ゲージがたまっている。
流瑠ちゃんのおせっかいに、はたはた困りはててしまっている。
それは確か。
けれど正直にいうと流瑠ちゃんへの感謝もあって、それなりの幸福感も芽生えているんだ。
恥ずかしさで霞くんを見上げることはできないけれど、布越しに触れ合う腕がくすぐったい。
霞くんから離れたくない。
ううん、恥ずかしいから逃げ出したい気持ちもあるんだけど、今離れてしまったら二度と霞くんに触れることができないんじゃないかと怖くなってしまって、できればこのままでいたいなって。
胸キュンで暴れる僕の心臓が耐えうるまで、ずっとこのままで……
できれば永遠に……
クスクス笑う流瑠ちゃんにハッとして、僕は顔を上げた。
「相手が大事だからこそ傘をゆずりあっちゃったんだよね。愛だね。一途だね。私はこれが見たかった。だから赤い傘を持ち歩いてた。まぁ今日のお昼休みは私がまいた種が芽吹くかなって期待があって、推しカプ急接近のハプニングが起こりますようにって願ってきたから、腐女子グッズを持ってきてたんだけどね」
流瑠ちゃんはすっきりした表情を浮かべたと思ったら一転、急に表情を陰らせて、忙しい人だなと感心する。



