そのあと登校してきた体育委員の堀北くんから事情を聴き、一連の犯人が発覚した。

 黒板書き書きと拍手誘導の時点で、親友の腐女子ちゃんに目星をつけてはいたが大当たり。

 脳も心もだいぶ落ち着いた2限目の授業中、机に立てた教科書で顔を隠し『僕をはめたな!』と流瑠ちゃんを睨んでみた。

 ……ものの、流瑠ちゃんへのダメージはゼロだった。

 ただただ僕の疲労が蓄積されただけ。


 流瑠ちゃんは悪びれもせず、満面の笑みで僕に両手ピースを送ってきて。

 ――腐女子ちゃんの行動力を見くびっていた……

 自分が甘すぎだったと、気力プシューで僕は片ほっぺを机に押し当てたのでした。


 これで終わりならよかったのに。

 予期せぬことが次から次に襲ってくる今日は、厄日ですか?


 3時限目終了のチャイムのあと、奏多くんが僕のクラスに来ました。

 いつものように霞くんとおしゃべりを楽しむんだろう。

 カスミソウコンビは高1から仲良すぎだから。

 そう思って瞳を陰らせていたら、奏多くんは僕の席にまっしぐら。

 座っている僕の肩に腕を回し、真っ白な歯が全見えするほどニカっと笑って『今日の昼休み、ジャージに着替えてテニスコートな』と、肩を抱く腕に力を込めたんです。

 もちろん僕は瞳キョトン。