地雷カプブルー



 俺は幼稚園の頃から輝星が好き。

 替えが利かないくらい特別でたまらない。

 話さなくなった今も、日々輝星への執着がしつこく色濃くなっていて……って。

 あっ、今はそのことは関係ないか。


 落ち着けオレ、深呼吸、深呼吸。


 球技大会は来週に迫っている。

 もう一週間もない。

 俺と輝星でペアを組んで、テニスの試合に出るってことだよね?

 まずい、心臓吐きそう、今すぐに。

 大会中、がっつり一緒にいることになるよ。

 輝星の近くにいたらダメな気がする。

 だって一緒にテニスなんてしたら、小学校の頃の楽しかった記憶が玉手箱のようにあふれ出して、好きという気持ちが噴水のように湧き出て止まらなくなってしまいそうだから。


 そもそもの話。

 俺とペアを組むことを、輝星はもう知っているのだろうか?

 俺たちはいまバスの中。

 一番後ろの席から、前の方に座る輝星のつむじに視線を突き刺す。