地雷カプブルー


 俺のメンヘラ闇落ち度が増してしまったからだろう。

 月を隠す雲が、さらに厚みを増した。

 今夜の月は情けない俺を慰めるつもりはないらしい。

 ふふふ、当たり前か。


 太ももに振動を感じ、ポケットからスマホを取り出す。

 やる気のない視線をスマホ画面に落とした。

 メッセージが届いたお知らせあり、奏多からだ。

 テニスの全国大会用の戦術でも思いついたのだろうか。

 試合が始まるのは夏休みに入ってから、まだ1か月以上も先のこと。

 戦術を話し合うのは対戦相手が決まってからにすると奏多は言っていたけれど、気が変わったのかもしれないな。

 とりあえず読んで、とりあえずスタンプだけ返して、あとは学校で話せばいいか。


 スマホの画面に浮き上がるアイコンをタップし、奏多からのメッセージを目で追いかける。
 
 『トーナメント表見た? 球技大会の』

 すでに各クラスに配られているのか。

 うちの高校で行われるクラス対抗球技大会は、来週に迫っているしね。