高3になった輝星は今、彼女ができて幸せそうだ。
あの時の決断は間違っていなかったと、宝物を手放した小6の俺を褒めてあげたい。
ただ……
毎日が苦しい。
同じ教室に自ら手放した大事な人がいる状況。
みんなに愛される笑顔を、輝星はクラスみんなに振りまいている。
休み時間や昼休みは、誰も入れないような楽しい空気を流瑠さんと二人で作り出している。
俺には笑いかけてくれなくて。
俺も俺で笑顔を作れなくて。
冷たい目を輝星に突き刺すことしかできなくて。
やっぱり一緒にいたくて。
小学校の頃に戻りたくて。
輝星の瞳に俺だけを映して欲しくて。
他の人には笑いかけないでほしくて。
はぁぁぁぁぁ。
俺の重すぎる恋心は、死んでも来世にまで引き継がれそうだな。
いっそ今すぐ生まれ変わって、輝星を思う存分愛する人生をやり直したい。



