「ねぇ見た? 輝星先輩と流瑠先輩がキスしてたとこ」
「見た見た、流れ星カプがついに誕生ってことでいいんだよね」
「このカプ押してる子たち、学年関係なく結構いるって聞いたよ」
「わかる~、二人とも後輩のうちらにまで優しいしさ」
「付き合ってるか聞かれて否定してたらしいから、くっついたのは最近かな」
「どっちから告白したんだろう。テラセ先輩? ルル先輩?」
「姉御肌っぽいし流瑠先輩からじゃない?」
「ウルウルお目目の上目遣いで、甘えるように輝星先輩から告白されたら、嬉しくて流瑠先輩が泣いちゃいそう」
「でもさでもさ、どっちからの告白の妄想もおいしいよね!」
キャーキャー声をあげる女子たちが、僕のすぐ近くで飛び跳ねていたから
――誰から見ても、輝星と流瑠さんはお似合いなんだな……
心が悲しみ色に侵食されてしまった俺は、ラケットを握る手に力が入らなくなってしまったんだ。
どうやら二人の仲の良さは生徒公認のみたいだ。



