笑顔にさらに甘さを追加してみる。

 はちみつトロトロのハニーボイスでささやいても、輝星は困惑を隠せない様子。


 「そんなはずないでしょ。だって霞くんは僕のことなんて……」


 と、目を見開いて。


 「大好きすぎて怖かった。自分のせいで輝星を失いたくなかった」

 「本当に僕のことが好きなの?」

 「そうだよ。出会ったころから、1秒も途絶えることなくね」


 涙がにじみ出した輝星の瞳。


 「僕だって霞くんのこと……出会ったころからずっと大好きだもん……」


 両想いだとわかった嬉しさがこみあげてきて、俺は傘を持たない方の手を広げる。


 「知っていると思おうけど、俺は嫉妬深いんだ。独占欲が強いし、輝星への執着はえげつないと自分でも思う。そんな俺で良かったら、輝星、俺を選んでよ。一生俺の隣にいて。輝星を溺愛する権限を俺だけに与えて」


 手を広げたまま微笑めば、輝星の頬にとめどなく涙があふれだし


 「僕の方が霞くんへの愛が大きいからね。出会ったころから僕が勝ちつづけているんだからね」


 子供のように泣きじゃくり、俺の胸に飛び込んできて。

 本当に可愛いな輝星はと、傘を見っていない方の腕で抱きしめる。