「一緒の高校に入ったら……また親友に戻れるかもって……霞くんが僕に笑ってくれるかもって……期待しちゃって……」
確かに輝星がこの高校を選んだのは意外だった。
俺はスポーツ推薦。
テニスを極める環境が整っていることに魅力を感じ、迷いもなくこの高校を選んだ。
だが俺たちの地元から、この高校を受ける人はほぼいない。
私立高校のうえ、偏差値が高すぎる。
テストで学年5位以内に入らないと合格は厳しいとさえ言われていて、制服のオシャレさゆえこの高校に憧れを持つ同級生はたくさんいたが、中学の先生に「オマエはもう少し偏差値が低い高校にした方がいい」と指導され泣く泣く諦めた生徒を俺はたくさん見てきた。
そしてなにより通学が大変だ。
バスで往復1時間半もかかってしまう。
輝星は誰にでも笑顔を振りまくコミュ力モンスターだが、勉強がそこまで秀でてはいない。
中学の定期テストでも真ん中あたり。
だから多くの人が行く、地元の公立高校に通うものだと俺は思い込んでいたんだ。
この高校に受かったということは、輝星は受験のためにガムシャラに勉強に励んだということになる。
必死に勉強をしてまでこの高校に入った理由が、俺だったなんて。
信じられない。
中学3年間、俺に拒絶されて続けていたじゃないか。
それなのに……



