「あんたってさ……」
「?」
「頭おかしいんじゃない?」
「はあ!?」
正直な感想を伝えると、身代わり女はギョッと目を見開いた。
怒らせたのかもしれないが、そんなことはどうでもいい。この女にどう思われようが何も気にならない。
その後、これらも全部本にしていいと言ったら身代わり女は嬉しそうに中庭から出ていった。
さてと……本の続きを……。
そう思って本を開こうとしたとき、また新たな人物がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
使用人なら無視するところだが、この相手はそうはいかない。
……面倒なヤツが来た。
「はぁ――……」
「おい! レオン! 今、俺の顔見てため息ついただろ!?」
「……何?」
眉を吊り上げて怒っているのは、ディラン兄さんだ。
声がデカくてうるさいし、小さなことですぐに怒るめんどくさい兄だ。
反応するまでしつこく話しかけてくるし、さらにうるさく面倒なことになるので仕方なく相手してやっている。
「お前、あの女と話してたらしいな。何を話していたんだ?」
「誰のこと?」
「エリーゼの代わりに来た女だよ!」
「ああ……」
この中庭の通路は使用人もよく通る場所だ。
たまたま見かけたメイドか誰かが、兄に報告したのだろう。



