「昨日言っていた孤児院に届けたい本って、フェリシー様が作った本のことだったのですね」
「ええ。これを見本に、ジェフさんがちゃんとした本にしてくれるの。……絵は、違う人が描く予定よ」
「フッ……! あ。すみません」
私の付け足した一言に、ビトが小さく吹き出す。
眼帯つけた真顔のクールキャラかと思っていたけど、意外とよく笑うようだ。
まあ、笑ったあとすぐに真顔に戻ってしまうけど。
これも好感度40%の効果?
もし悪魔兄弟たちの好感度をそれくらいにできたら、あの3人もこうして笑顔くらい見せてくれるようになるのかな?
3兄弟が私に爽やかに笑う姿を想像して、ゾーーッと背筋が凍る。
うっ……! こわっ!!
全員、悪意のこもった暗黒微笑にしか見えないわ!
ってゆーか、レオンの好感度をチェックしなきゃ!
ビトに不審がられないようサッと手を動かしてマイページを開く。
空中に浮き出た文字を見て、私は目を丸くした。
「えっ?」
『好感度
エリオット……12%
ディラン……11%
レオン……17%
ビト……45%』
レオンが3%……ビトが5%増えてる!?
えっ? 選択肢のなかったキャラも、一緒にいると好感度が変化するの!?
ゲームの中で3兄弟全員と同時に会うことはなかったため、初めて知った情報だ。
私の書いた絵本を見せたことでビトの好感度も上がったんだろうけど、もし見せずにいたら「あの紙はなんだ?」って不審がられて好感度が下がってたかも!
あ……危ない!!
そういう大事なことは、最初に言っといてよね!!
誰に向かっての文句なのか自分でもわからないけど、私は心の中で不満を叫んだ。



