自分の視界の右下にずっと浮かんでいる小さい本のマーク。
 それに触れて、マイページを表示させる。


『好感度

 エリオット……12%
 ディラン……11%
 レオン……14%
 ビト……40%』


「えええええ!? 40!?」


 驚きすぎて、つい大声で叫んでしまった。
 メイドか誰かがやってこないかと、慌てて自分の口を手で覆う。



 嘘っ! すごい! 10%も上がってる!!!



 元々好感度が上がりやすいキャラなのか、さっきの私の回答がナイスすぎたのかはわからないけど、とにかく10%も好感度が上がったのはありがたい。



 ビトとは3兄弟よりも一緒にいる時間が多そうだし、好感度が高いに越したことはないわ!
 よかった!!



 高いとはいえ、まだまだ半分以下の好感度。
 さっきのビトの表情を見れば、好かれているとは到底思えない。
 
 それでも、過去1高い好感度に私は浮かれていた。


「選択肢が全部アウトっていうクソゲー仕様のおかげで助かったわ! これは選んじゃダメっていうのがわかりやすいからね」
 

 まさか、プレイ中にイライラしまくったこの悪魔の選択肢に助けられる日がくるとは。
 ホッと胸を撫で下ろしつつ、私はソファにゴロンと横になった。



 ああ……今日は疲れたわ。
 レオンに無視されて、街でルーカスに会って、エリオットの最悪なイベントをこなして、隠しキャラの未知イベントを無事乗り越えて……。

 もうすぐ夕食が運ばれてくるだろうけど、その前にちょっとだけ……。



 瞼を閉じたあと、私はすぐ眠りに落ちていった。