「……街というよりも、孤児院に行きたいの。この王都にある孤児院、全部に」
「!? 孤児院? それはなぜですか?」
予想外な答えだったのか、ビトが眉をくねらせた。
真っ直ぐに私を見据える金色の瞳は、私の言葉が嘘かどうか見極めようとしているように見える。
「本を届けるの。簡単に読める、挿絵がついた子ども用の本を」
「本???」
ビトは、ますます意味がわからないといった様子でポカンとしている。
「そうよ。その本を持ってもらうのに、付き人が必要だったの。あとは、王都にある孤児院の場所を調べてもらったりとか」
「はあ……」
「私では調べ方がよくわからないの。ビトにお願いしてもいいかしら?」
「それは……もちろん大丈夫ですが……」
「ありがとう! よろしくね」
ニコッと満面の笑みを向けると、ビトは不可解そうな表情のまま部屋から出ていった。
きっと、このあとエリオットに報告に行くのだろう。
「ふぅ……」
とりあえず、エリーゼのことを隠しつつ孤児院の話を出してみたけど……大丈夫だったかな?
これなら、ビトと一緒にいるときにエリーゼを見つけたとしても『本を渡すため孤児院に行ったら、たまたまエリーゼを発見した』という状況が作れる。
嘘もついていないし、特に問題はないはずだ。
「さてと……好感度はどうなった……?」
本番ぶっつけのゲームイベント。
どんな結果になっているのか、まったく想像つかない。
お願い!! 好感度が下がっていませんように!!



