私の付き人になったビトは、このクソゲーの隠しキャラだ。
 どんな条件で登場するのかわからず、私は1度も出すことができなかった。

 つまり、顔だけは知っているけど性格もイベント内容も何も知らないのだ。



 どうしよう!!
 これって、ビトも攻略対象者になっちゃったってこと!?



「どうかしましたか?」

「あっ……い、いえ。なんでもないです」


 突然大声を出した私を、ビトが不審そうな目で見てくる。
 
 私は笑顔で誤魔化しつつ、こっそりマイページを開いた。
 宙に浮かぶ文字が私にしか見えていないため、ビトの前で出しても問題はないだろう。



 もしそうなら、この中にビトの名前が入ってるはず……!



『好感度

 エリオット……12%
 ディラン……11%
 レオン……14%
 ビト……30%』



 あったあああああ!!!
 本当に増えてる!! ってか好感度たっか!!



 冷静に考えたら、好感度30%は決して高くはない。
 でも15%以下の3兄弟に見慣れすぎていたため、30%という数字がやけに高く見える。