「……人がほしいです」
「……人?」
私の返答に、エリオットが眉をくねらせる。
「はい。私の専属の付き人のような人を望みます。できれば力があり、いざとなれば私を守れるような方が望ましいです」
「……なんのために?」
「街に出た際、荷物を持ってもらったり危険から守ってもらいたいからです。それ以外に理由はありません」
「…………」
それ以外に理由はありません──わざと意味深な言い方で答える。
私の言葉に嘘が混ざっていることを察したのか、エリオットが真剣な眼差しを私に向けてきた。
光のない赤い瞳に見つめられると、心の中を見透かされているのではないかと思えてくる。
こわい……けど、興味を引くことには成功したみたい。
あとは、これがエリオットの機嫌を損ねるようなことにならなければいいけど……。
ドキドキしながら返事を待つ。
まるで、判決を言い渡される前の被告人の気分だ。
「いいだろう」
「……えっ」
「ビトを君に付けよう。若手の騎士で、君の条件にも合っている」
「…………」
え。ほ、本当に私に付き人を?
こんなあっさり?



