攻略不可能なクソゲーのヒロインに転生していたので、殺される前に離脱したい 〜溺愛ルート? 何それ?〜


 私はゴクッと唾を飲み込むと、真っ直ぐにエリオットを見つめた。


「……エリオット様は、私が犯人だとお思いですか?」

「!」


 私の質問に、エリオットがピクッと眉を動かした。
 選択肢以外の答えを出したことで、浮かんでいた文字が消える。



 私が犯人かどうか、答えるのは私じゃなくてあなたよ!



 本当の犯人を知っているエリオット。
 もしここで私が犯人だと答えたら、それはエリオットがセリーヌに見事騙されたということになってしまう。

 だって、私も使用人たちもセリーヌが犯人だと知っているのだから。


 
 プライドの高いエリオットだもの。
 間抜け……そんな風に思われるのは、我慢ならないでしょ?



 私にだけではなく、ここにいる使用人やまさにエリオットに嘘をついているセリーヌにまで、無能扱いされることになる。
 そんな状態にエリオットが耐えられるわけがない。
 となると、本当の犯人を知っていると答えるしかないのだ。
  


 さあ、どうするの!? エリオット!