セリーヌから私の名前を聞き出したエリオットは、作られた笑顔をこちらに向けた。
目だけは、どこか挑戦的な目だ。
「セリーヌが言うには、君は使用人を虐め、わざと花瓶を割ったそうだが……それは本当か?」
エリオットに質問された瞬間、目の前にアンティークフレームに囲われた文字が現れた。
ピロン
『【イベント発生】濡れ衣
どう答えますか?
①「違います」と否定する
②「そうです」と認める
③この場から逃げる』
出た! 選択肢!
これで本当にエリオットのイベントが始まったのね!
何度もやったことのあるこのイベント。
もちろんこれもディランの令嬢ごっこと同じで、どれを選んでも好感度が下がるようになっているクソ仕様だ。
まずは『①「違います」と否定する』……。
本当なら、これが正解のはずなのよね。だって私はやってないんだから!
でも、これを選ぶと「やってない証拠はあるのか?」と聞かれてしまう。
そんなものがあるわけなく、私は嘘つきとして罰せられて好感度が3%落ちる。
実は、エリオットは私が犯人じゃないってわかってるのよね。
その上で、私がこの状況をどう回避するかを試してる……。
ただ否定しただけでは、エリオットは満足しない。
ぐうの音も出ないほどの完璧な証拠を提示しての否定でないと、意味がないのだ。
監視カメラなんてないし、完璧な証拠なんて用意できるわけない!
①は却下!



