「エリオット様。フェリシー様をお連れいたしました」
「ああ、どうも」
ダイニングの真ん中にある白く長いテーブルの奥に、エリオットが足を組んで座っている。
その隣には、青い顔をしたセリーヌが立っていて、壁際には執事やメイドなどたくさんの使用人が姿勢正しく並んでいた。
う、わ……っ!! さすがエリオット!
ゲーム画面では何度も見たことあったけど、やっぱり本物はすごい!!
顔だけはつい拝みたくなっちゃうほどの顔面国宝ね!!!
サラサラどストレートな金髪に赤い瞳。
高い鼻筋やくっきりとした幅広の二重は、自然にそんなに綺麗になります? と聞きたくなるほどに整っている。
でも、美しく微笑んでいるエリオットの瞳には、光がさしていない。
まるで顔だけ精巧に作られた人形のようだ。
彼からは生きた者の熱量とか感情といったものが何も感じない。
同じイケメンだけど、やっぱり他の2人よりもオーラがすごい!
ディランとは双子のはずなのに、雰囲気が全然違う……!
ディランの暴力的で攻撃性の高いオーラとは違い、エリオットはゾッと背筋が寒くなるような恐ろしいオーラを感じる。
ただ向かい合っているだけで、腰が抜けてしまいそうだ。
これが最難関の攻略対象者、長男エリオット!!



