居た堪れない気持ちに悶えていると、レオンの大きな目が不快そうに細められた。
「ねえ。質問に答えてくれない?」
「!」
無視しちゃダメだった!!!
一瞬で自分の過ちに気づいた私は、慌ててさっきの質問に答える。
内心、本当に答えていいのかの不安がまだ残っているけど。
「あの、はい。私が考えました」
「ふーーん……。他にも何か書くの?」
「は、はい。できるなら、もっとたくさん書きたいと思ってます」
「たくさん……」
少し不快そうな顔になったとき以外、レオンの表情は変わらない。
喜怒哀楽がまったく伝わってこないし、どんな感情なのか何を考えているのかさっぱりわからない。
これが無気力系男子ってやつか……。感情的なディランとは正反対ね。
それにしても、あのレオンと普通に会話をする日がくるなんて。
本の話題だから?
レオンは少し黙ったあとに、ジェフに視線を向けた。
「これ、ちゃんとした本にしておいて」
「かしこまりました」
えっ?
「あと、この絵は違う人に描かせて」
「かしこまりました」
ん!? 今、さらっと絵をディスられた!?



