ジェフの言葉をニコニコ笑顔で聞きながら、心の中で思いっきり謝罪する。
すると、今度は少し気まずそうにジェフの顔が歪んだ。
「ところで、この絵なのですが……」
「あっ。それも私が描きました」
「あ、そうです……か。あの、この丸いのは……」
「ネズミです。馬に変身する前の」
「ネズミ……ですか。なるほど」
「?」
さっきまでベタ褒めしてくれていたジェフが、なぜかモゴモゴと口ごもっている。
まるで解析不可能な問題でも解いているかのような顔をしたジェフに、絵の感想を聞こうとしたとき……急に背後から人が現れた。
「!?!?」
スッと音もなく現れたその人物は、三男のレオンだ。
ジェフは慣れているのか、レオンが突然来たことにまったく驚いていない。
ビッ、ビックリしたぁ――――っ!!!
レオン。やっぱりいたのね!
ピロン
軽快な音とともに、目の前に文字が現れる。
『選んでください。
①こんにちは
②何やってるの?
③無視』
わっ、めずらしい! 選択肢に無視があるっ!
迷わず③に触れると、スゥッと文字が消えた。
きっとこれで好感度が1%上がっているはずだ。
こんなので1%上がるなら、むしろもっとレオンに会って好感度を上げていったほうがいいんじゃないかな?
もしもの保険のために……。



